まんまと罠に、ハマりまして
「…………………」


どれだけ慌てていたんだろう?
ほんとに、


「課長から…?」


誤字脱字はもちろん。
変換すらしてない文字の羅列。

言い訳がましくないように、ちゃんと私に伝わるように考えられてはいたけど。


「……っ…」


思わず、涙が溢れる。
切なくて。
嬉しくて。

ちゃんと課長は、伝えてくれてたのに。
ずっと。
私からの返事を、待っててくれてたのに。
それを確認もしないで、ひとり、ひねくれて。

私はほんと。


「なに、してたんだろ…」


ほとほと嫌気がさす。
やっぱり成長なんて、しきれてないんだって。

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