まんまと罠に、ハマりまして
私がLINEに既読をつけずにいた間。
課長はどんな思いで過ごしていたんだろう?
どんな思いで。
"上司の顔"を、していたんだろう?

課長も、私と同じだった?なんて、思ってしまって。


『やっぱり、電話じゃもどかしいな…』
「え?」


─会いたい


『いや…。今日、これから会えそうか?』
「っ、はいっ」
『いいのか?』
「はい。部屋、行ってもいいですか?」


強く思った。


『もちろん。迎えに行く』
「え?」
『迎えに行くから』
「あ、大丈夫、ですよ?」
『いや。迎えに行きたいんだ』
「でも…」
『少しでも早く。俺が会いたいんだよ』
「!」
『だから。迎えに行く』
< 241 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop