まんまと罠に、ハマりまして
どうしてゆきのさんの後に、私なのか。
そんなふうに考えてしまう私に、


「雪乃は俺の2つ先輩で。俺が入社した時の指導係だったんだ…」


コーヒーを一口飲んで。
ポツリと、課長が話し始める。


「見ての通り、綺麗で仕事も出来て。同期に羨ましがられてた。雪乃が指導係で。俺もラッキーだなって、思ったりして」


課長とゆきのさんの過去。
憧れの的だったんだろうなと。
容易に想像がつく。


「でも。最初はほんとに、ただの憧れだったんだ。全く恋愛感情なんてなかったし、先輩として尊敬してるだけだった」


課長にも新人の頃があったなんて、そこは想像つかないけど。
あんなに素敵なひとの下(もと)で。
憧れない訳がない。


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