まんまと罠に、ハマりまして
「コーヒー、冷めてないか?」
伏せてた目を、ふっと私に戻して。
課長が席を立つ。
「あ、はい。大丈夫です」
「そうか…」
もしかしたら。
ほんとは、
─話したくはないのかな…
そんな課長を見て、感じる。
私が聞いていい事なんだろうか、とも。
でも。
「まぁ、それが。さっき、ちゃんと話すって言った内容なんだけどな…」
課長は続けて。
「あ、はい…」
私も思わず、相槌をうってしまう。
「昇進の話があって。そのポストには、雪乃が就くだろうって。誰もが思ってたし、ほぼ決まってたんだ。ウチの…、あ、元、ウチの、な。社では女性初の抜擢で。雪乃もあえて口には出さなかったけど、それに向けて頑張ってたんだ。確実にそのポストに就くために」
伏せてた目を、ふっと私に戻して。
課長が席を立つ。
「あ、はい。大丈夫です」
「そうか…」
もしかしたら。
ほんとは、
─話したくはないのかな…
そんな課長を見て、感じる。
私が聞いていい事なんだろうか、とも。
でも。
「まぁ、それが。さっき、ちゃんと話すって言った内容なんだけどな…」
課長は続けて。
「あ、はい…」
私も思わず、相槌をうってしまう。
「昇進の話があって。そのポストには、雪乃が就くだろうって。誰もが思ってたし、ほぼ決まってたんだ。ウチの…、あ、元、ウチの、な。社では女性初の抜擢で。雪乃もあえて口には出さなかったけど、それに向けて頑張ってたんだ。確実にそのポストに就くために」