まんまと罠に、ハマりまして
課長はそんな私に、苦笑を浮かべて。
「…不器用なんだよ。上手く立ち回れないんだ」
言った。
「課長が、ですか?」
「って、さっきからずっと"課長"だな…」
「え?あ…、すいません」
「いや…」
課長が不器用なら。
他の人はもっと大変なんじゃないだろうか…。
もちろん、私も。
「そうだな…。ほんとは、もっといい方法があったのかもしれないけど。俺にはそれしか思いつかなかった。何だかんだ言っても、まだ女性には厳しい世界だし。辛い思いをいっぱいしてきた事も、俺は見てきてたしな…。そんな雪乃から、昇進のチャンスを奪うなんて。ほんとに出来なかったんだ…」
「…………………」
「…不器用なんだよ。上手く立ち回れないんだ」
言った。
「課長が、ですか?」
「って、さっきからずっと"課長"だな…」
「え?あ…、すいません」
「いや…」
課長が不器用なら。
他の人はもっと大変なんじゃないだろうか…。
もちろん、私も。
「そうだな…。ほんとは、もっといい方法があったのかもしれないけど。俺にはそれしか思いつかなかった。何だかんだ言っても、まだ女性には厳しい世界だし。辛い思いをいっぱいしてきた事も、俺は見てきてたしな…。そんな雪乃から、昇進のチャンスを奪うなんて。ほんとに出来なかったんだ…」
「…………………」