まんまと罠に、ハマりまして
そういう状況に馴れてない私は、


「……は、い……」


恥ずかしすぎて、そう。
俯いて、頷くしかできなくて。

改めて。
どうして、ゆきのさんの後に、


─私なんか?


思ってしまって。
私はゆきのさんみたいに、完璧じゃないし、見た目も。
何一つ、勝てる所なんてない。

なのに。
私だけと、言ってくれてる。


「…あの」
「ん?」
「あ、えっと…」
「うん?」


─どうして、私なんですか?


訊きたいのに。


「えっと…」
「?」


すんなり、その言葉を口に出来なくて。


「お腹、空きませんか?」


よりによって。


「あぁ。そう言えば…。昼、過ぎてるな」


出てきたのは、そんな言葉…。




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