まんまと罠に、ハマりまして
きっと。
この時にはもう、決めていたんだろう。


「ふわふわじゃなくても。渡来が作ってくれるなら、それだけで嬉しいよ?」
「っ…、また…」
「?また?」
「あ、いえ…」
「なに?」


この恋の結末を。


「…いいです」
「何だ?気になるな」
「いいんです。あ、お肉炒めますね」
「あぁ、じゃあ、頼む」
「はい」


もちろんこの時、私は気づくはずもなく、課長との時間を過ごして。


「うん。やっぱり手際いいな」
「え?私、ですか?」
「もちろん」
「ほんとですか?」
「嘘なんて言わないよ」

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