まんまと罠に、ハマりまして
なんて。
そんな事を考えながら、課長から頼まれた仕事をしていた時。


「渡来」

また課長に呼ばれて。
もしかして、


─心読まれてた!?


ドキッとしながら、


「っはい」


課長の元へ行くと。


「頼まれてくれないか?」


と。
差し出されたのは、新商品のサンプルで。


「サンプル、ですか?」


広報部にも、もちろん届くものだけど。
それにしても、数が多過ぎて。
その宛名が目に入って、


「あ…」


思わず声を漏らしてしまう。


「間違って届いたらしい」


そこに書かれていたのは、私がよく知っている場所。
ほんの数ヶ月前までの、職場宛で。

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