まんまと罠に、ハマりまして
まさか…、


「いや、ない。ないよ」


なんて、思わず独り言を呟きながら画面を開くと、そのまさか。


「!」


課長で。
私はとっさに、上を見上げる。

でも。
さすがに、窓越し、課長の姿はなくて。


【今日は来ないのか?】


何だか。


─彼氏みたい…


思って。

いや。
お試しとはいえ、そうなんだけど。
何だろう。
そう。
距離感。
あの日から、ずっと近くなったような気がして。
課長が全てを話してくれたあの日…。

以前感じてた程、遠く感じなくなっている私がいて。


【今日は疲れてますよね?元気もなかったし、
顔色もあまり良くなかったので…】


私は打ち返す。

< 308 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop