まんまと罠に、ハマりまして
頭の中でのそんなやり取りが。
顔に出てしまっていたんだろうか…。


─…ん?


ふっ…と。
課長の笑い声が、耳に入って。


「なんか。おもしろい事でも考えてた?」
「!」


私はハッと、我にかえる。
そんな私に。


「やっぱりいいな。渡来」


くすりと笑う課長。

完璧だけど。
カッコいいけど。

ひとつ。


「いいよ」


課長のツボが、わからない。
私の、何がいいのか…。

そして。


「よし。じゃあ、詰めてこうか」


食事を終えて、PCを開く課長。
謎の、お試し期間…。

とても。
課長みたいな人が、提案するような事とは思えなくて。

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