まんまと罠に、ハマりまして
「呼び方は。渡来が考えて」
「はい…」
「敬語も。少しずつでいいから」


ほぼ、誓約書のようなそれを、プリントアウトして渡されて。

私はそれを、


─社外秘の重要書類みたいだな


なんて思いながら受け取って。


「ありがとうございました」
「いや…。じゃあ、おやすみ」
「はい。おやすみなさい」


ほんとに送るだけで、帰ってしまった課長を見送った後。


「…呼び方、かぁ…」


今日1日の事を思い返しながら。
ふわふわしたような気持ちのまま、ベッドに入った。











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