まんまと罠に、ハマりまして
「翼ちゃん?どした?」
「……反省中」
「あらら。ちょっと言い過ぎちゃった?」
「ううん。大丈夫」


思えば。
課長もあの日、私には大したことは聞いてこなかった。


「逆に、私にはどうですか?」


何かありませんか?って。
でも、課長は。
やっぱり苦笑を浮かべて、


「敬語か…」


呟いただけ。
その時もほんとは、敬語は無しで、言いたかったんだろうけど。
課長は何も言わなかった。
あまりに私が。

いっぱいいっぱいだったから…。

だからきっと。
課長も私に、何も聞けなかったんだろう。
私は課長に。
かなり気を遣わせてる。

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