まんまと罠に、ハマりまして
みどりちゃんに匙を投げられた様に。
確かにそんなに悩む事じゃないんだろう。
他の誰でもない。
課長本人が、名前で呼んで欲しいと望んでいるのだから、尚更に。

だけど。
だけど!!

だけどだよーー!
って感じで。

結局、私は仕事に集中出来ていたんだろうか…。
気がつくと、定時の時報が鳴り響いていて。


「…………………」


時間って。
こんなに速く、経つものだったろうか…。


「渡来さん?帰らないの?」
「え?あ、帰ります」


小杉さんに声をかけられ、デスクの片付けを始めた時、スマホが震えて。


「じゃあ、お先に」
「はい。お疲れ様です」


小杉さんに挨拶をして、スマホを手に取ると。
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