まんまと罠に、ハマりまして
「惣菜も?」
「あ、はい。デパ地下の、ですけど…」
「サンキュ。家あけてたから、冷蔵庫、空だった」
「よかったです」


ほんとは、何か作ろうか、とも思ったけど。
料理上手な課長に、何を作ればいいのかさっぱり浮かばなくて。


「温めるか」
「あ、私やります!」
「じゃあ、一緒に。食器出すな」
「はい」


それに。
頭の中は別の事でいっぱいでもあって…。
だけど。


「おっ。トマトサラダ」


課長はいつもと変わらない様子で。
ほんとに気にしてないのか。
諦めてるのか、は、分からないけど。


「サラダボウルに盛りますね」


少しだけ、ホッとした。
< 88 / 325 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop