まんまと罠に、ハマりまして
「あ。けっこう美味いな」
「…お惣菜なんて、あんまり食べないですよね?」


課長の好みがまだ分からず。
でも多分、好き嫌いはないだろう思って、買ってきたお惣菜。
サラダ以外の物も、何種類かお皿に取って、課長が口に運ぶ。


「いや。食うよ。忙しい時は買って帰るし」
「そうなんですか?」
「今日も。一緒に買いに行こうと思ってた」


そんな課長が、柔らかく微笑んで。


「え?」
「渡来とふたりで」


不意打ち。


「っ……」


思わず、ドキッとしてしまう。


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