まんまと罠に、ハマりまして

「じゃあ俺も」
「あ、注ぎます」


それに。
気のせいか。
一杯でもう、若干酔いがまわってきたような…。
甘くて飲みやすいだろうと買ってきたけど。


「明日も仕事なのに、つい手が出るな」
「そうですね」
「でも、けっこう度数高いから。強くないなら、これくらいにしておいた方がいいかもな」
「え？」
「飲みやすくて油断しちゃうけどな」


課長に言われ。
ん？となる。

そう言われてみれば。
アルコール度数なんて、全く考えもしないで買ってきてしまった。


「高いって…」
「ん？」


どれくらいですか？
訊こうとしたけど。


「あ、いえ…」


確認もせず買ってきたと思われるのは…と、やめた。