2番目の彼女。
 「な………梨咲。体育館移動だって」






 クラスメイト皆、てんやわんやしていると、放送がかかって入学式の開始が知らされた。






 「じゃ、並ばなきゃだね」






 出席番号だから離れちゃうね、と言いながら、廊下に出て整列。



 …わざと、なんだけど。



 本当に全然、知っている人がいない。






 「ねーねー、なにさん?」






 廊下で女子の最後尾に並ぶと、前の女の子から声をかけられた。






 「…あ、和南城 初菜です」
 「ワナジョウさん。わたし矢吹幸音。出席番号近いもの同士よろしくー」
 「…はい、うん、よろしく、です」






 多分この子。



 嫌われちゃ駄目なタイプ。



 クラスメイト皆と仲良くて。



 この子に嫌われたら、きっと、この子の発言には力がある。



 ゾロゾロと、体育館まで移動していく。

 




 「ハーナ」






 3組の集団と出くわしたらしい。






 「頑張れ」
 「…ありがと」






 これが、わたしの幼馴染。
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