2番目の彼女。
………え、わたし?
いや、わたしの服掴んでるし、明らかにわたしなんだけど。
「……は、い?」
その仕草、男子がやることじゃないと思う。
名前も知らない、隣の席の男に突然服を掴まれても困る。
「イケメンじゃない?」
「………はい?」
え、なに?
え、ナルシスト?
え、こんなはっきりしたナルシストに出会ったのは初…。
悪いけど、とくにイケメンだとも感じないんですけど…。
「あのセンセ」
「……ああ」
なんだ、先生の話ね。
そう、貴方の話じゃないのね。
「…よく、わからないけど」
まぁ…そうかもね、と一言伝える。
「ノリ悪いなーハッちゃん」
「…………」
えーと。
初菜、だからそのニックネームなんだろうけど。
いきなり人のことを?
…わたし、そんなに人懐っこい性格してないんですよね。
と、無視を決め込んでみる。
「うわぁぁー無視とかないわー」
貴方の方が、ないわー、だと思います。
「うわぁぁー、傷つくわー」
…知らないです、勝手に傷ついてください。
「ねぇー、ハッちゃんつめたーい」
……貴方みたいな方が珍しいと思います。
パッと見で判断するのは良くないけど、適当そうで、本当にこの高校に受かったのかと疑いたくなってしまう。