×ルームメイトの内緒話×
確かに、弟たちがあたしのロング姿を見るのは初めてなのか。
そりゃあ……誰だこの美人、って気にもなるのかも。
「いや……驚いた。
これじゃあ、本当に兄ちゃんって呼べねェな」
「やだ、拓土も男らしくなって!
今いくつ……?」
「高一」
「へぇ! ごめんね、あたし全然帰らなくて」
「大丈夫、みんな元気だよ」
久しぶりの再開が嬉しくて、会話が弾む。
「2番目の、拓土ね。
拓海とは双子だけど……顔は似てないから、多分大丈夫」
「あぁ……頑張る」
玄関で紺に一声かける。
ちょっとこいつ、本気で緊張してるみたいだ。
ガラにもなく、可愛い。