×ルームメイトの内緒話×
……そうだよ。
あたし、本当に、紺が遠い人になっちゃったと不安に思ったんだもん。
だからあの日地下街で、真っ直ぐあたしの方に来てくれて。
本当に本当に嬉しかったことなんて……きっと一生言わないけどね。
「……ただいま! 梓もうきてる!?」
「あー森哉! おかえりー」
「梓、おかえり。
すごい風貌変わったねー」
「ただいま。森哉だって!
身長なんてあたし抜かされてるじゃん」
一番上の、高2の森哉が帰ってきた。
明らかに部活後だ。
これで全員そろった。
いつもより一人多く、そしてみんな大きくなったリビングはとても狭かった。