【完】こいつ、俺のだから。
「嘘だ……!」
あっさりと否定されてしまう。
「今日のホームルームの時間、仲良くあいつと話してたじゃねぇかよ?
コソコソと話しやがって、はしたねぇ!」
なんやねん、はしたないって。
思わず関西弁でてきてしまったじゃんか。
「それはDVDの話でしょ?楢崎とは映画の趣味があうから、話してて楽しいんだよ」
「…………」
そう言うと、佐野はなにか考え込むようにうつむいた。
そして数秒後、思いついたかのように顔を上げる。
「じゃあ、俺も見る」
「え?」
佐野の唐突な言葉に、ポカンとしてしまった。
「聞こえなかったのか?俺もそのDVD見るつったんだよ」
……いや、バリバリ聞こえてましたけど。