【完】こいつ、俺のだから。
……って、なに言ってんだあたしは。
さみしくなんかないない!
あんなやついなくて、清々しいくらいだ!
と、自分に言い聞かせ、DVDが入ってるカバンを手に、あたしは歩き出した。
「おい、早く乗れブス」
だが、あたしはヤツを甘くみていた。
こいつが今朝迎えに来なかった理由を知っていたら、あたしはスタンプ間違っちゃったことを可愛いなんて、絶対に思わなかっただろう。
放課後。
DVDだけ貸して、あたしはひとり颯爽と帰ろうと思ってたのに。
佐野はあたしの計画を見越していたらしい。
あたしからカバンを奪い取り、チャリのかごにのせて、二ケツするよう促してきたのだ。
「ひったくりみたい」
「なんとでも言え。おら、早くしろ」