【完】こいつ、俺のだから。
叫びまくったせいで、あたしは息が乱れて、肩で呼吸しているみたいになった。
怒り狂うあたしの様子に、佐野はオロオロとしている。
あぁもう……。なんでこんな、イライラするんだ。
「あたしのこと重いって言ったじゃん!だったらあたしを振り落とせば!?
あたしなんか……あたしなんか送ってくれなくてもいい。どうせあたしのこと嫌いなんでしょ!?」
バシッと強く、佐野の背中を叩いた。
だけど佐野は、ビクともしない。
それどころか、まるで。
「嫌いじゃねーよ」
まるで、あたしの感情全てを受け止めてくれてるかのような、優しい声だった。