【完】こいつ、俺のだから。
よっしゃー!解放された。
もう佐野のせいで、手汗が尋常じゃない。
佐野のぬくもりが消えたから、手に久々の空気が触れた。
こいつ、手デカいんだなぁ。
なんて思ってしまったり。
なんかちょっと、男だってことを意識させられた。
あたしは上靴に履き替えながら、隣でも履き替えてる佐野の横顔を盗み見た。
やっぱかっこいいな、佐野は。
横顔からでも、そのオーラというものがすごい。
人を惹きつけるような、魅力のある顔だ。
あたし、こんなヤツと手を繋いでたのか。
そう思うと胸が、ドキドキと音を立てはじめた。
って、なんだこれ。
違う違う。これは私が男というものに免疫がないからだ!
そうだよ!手なんて滅多に繋がないから!