【完】こいつ、俺のだから。
照れる佐野をさらにいじる楢崎。
楢崎、佐野の扱い方うまいな。
ちょっと尊敬してしまった。
「あ、いたいた。楢崎くんと佐野くん。もうすぐ棒倒しだから入場門行かなきゃ。みんな探してたよ」
そんなときに、光はあたし達のもとへやって来た。
「うわ、まじか!早く行こうぜ佐野!目指せ優勝だ!」
「はぁ?そんなめんどいこと誰がするかよ。こんなもんテキトーだテキトー」
優勝を意気込んでる楢崎に対し、佐野はめんどくさそうだ。
その反応に納得がいかない楢崎は、ショックを受けたような顔をしている。
「なに言ってるんだよ佐野……!俺らは頑張らなきゃいけねぇ!優勝するんだよ!
なぁ中原!体育祭は頑張らないとだよな?」
突然あたしに話をふってきた楢崎。
あたしは暑さでぼんやりとしていた。
正直なところ、話の内容も軽く聞き流していたんだけど。
「あーうん。体育祭頑張る人ってかっこいーよね」