【完】こいつ、俺のだから。



……なんとっ!



こいつ、人の意見をスルーしやがったぞ!


無視しやがった!人権侵害だ!




「ちょっと……!」



校外と違って、校内は一段と目立つ。



ヤバイって、本当に恥ずかしいからやめてっ!



あっちにいる女子生徒や、そこらにたむろしてる男子生徒がヒソヒソと私たちを見ながら話してる。



……あああああ、絶対なんか誤解されてる気がっ。




あたしの手を引いてる佐野は、周りの視線なんて気にせずスタスタと歩いてる。



その佇まいは、誰もが見惚れるほどだ。





バカじゃないの?



こんなことしたら、あたしとの関係が誤解されるのに、なんで……?



佐野がどうしてこんなことをするのか、その意図がよくわからない。




なんかもう抗うのもバカらしくなったから、あたしはおとなしくこいつに引っ張られていた。



そして、やっと教室に着いたとき――。




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