【完】こいつ、俺のだから。
「「おめでとうー!!」」
「…………は?」
クラス中のみんなが、あたし達の到着とともに盛大に祝ってくれた。
え?あたしの誕生日?いや、違う違う。
じゃあ、佐野の?
「佐野、今日誕生日だったんだ」
相変わらず手を繋いだままの、隣にいる佐野にそう聞いたのに、
「ちげーよ」
呆れたような顔で、そう言い返される。
え。じゃあなんで……?
…………。
……まさかっ!
嫌な予感がした。
「仁菜ー!佐野くんと付き合ったんでしょ?もう、なんで教えてくれなかったのー!?」
……クラスメイトの言葉に、ポカンとしてしまった。
「おい佐野ー!お前らいつからそういう仲だったんだよー!」
「うるせーな。チャカすなよ」
まんざらでもないような表情で、佐野は友達と戯れてる。
……おい、否定しろっ!!