【完】こいつ、俺のだから。




「「おめでとうー!!」」



「…………は?」



クラス中のみんなが、あたし達の到着とともに盛大に祝ってくれた。



え?あたしの誕生日?いや、違う違う。


じゃあ、佐野の?




「佐野、今日誕生日だったんだ」



相変わらず手を繋いだままの、隣にいる佐野にそう聞いたのに、



「ちげーよ」



呆れたような顔で、そう言い返される。



え。じゃあなんで……?




…………。


……まさかっ!



嫌な予感がした。




「仁菜ー!佐野くんと付き合ったんでしょ?もう、なんで教えてくれなかったのー!?」



……クラスメイトの言葉に、ポカンとしてしまった。




「おい佐野ー!お前らいつからそういう仲だったんだよー!」



「うるせーな。チャカすなよ」



まんざらでもないような表情で、佐野は友達と戯れてる。



……おい、否定しろっ!!




< 18 / 418 >

この作品をシェア

pagetop