【完】こいつ、俺のだから。
「え、なんで?仁菜ちゃん好きな人とかいるの?」
「えっ」
ちょ、引き下がると思ったら、この人まだ聞いてくるよ。
「俺の告白断るのは、好きな人がいるとか?
それとも俺のことよく知らないから!?」
前のめりになって、迫り来る勢いで聞いてくる男子生徒。
近い近い近い。
思わず一歩、後ずさる。
「うん。あの、あなたのこと、よく知らないし……」
「じゃあ俺のこと知ってください!まずは友達からでも!」
そして男子生徒は、手を差し出してくる。
いまどき握手ですか。
うわー、こういうタイプ苦手なんだけどなぁ。
でも断ったら、めんどくさいし……。
友達なら……まぁいいか。
そう思って、あたしも渋々手を差し出そうとしたとき。