【完】こいつ、俺のだから。



「お、お前メイド服着んのか……?」



なんだその顔は。


目を見開きすぎだ。おぞましいか、あたしのメイド服姿が。



「ちょ、ちょっと待て。想像させてくれ」



手のひらを見せ、待つ時間を要する佐野は、もう片方の手で口を覆う。




……あ。もう言わなくてもわかると思いますが、うちのクラスは執事&メイド喫茶だそうです。ありきたりです。




「いいじゃんいいじゃーん!中原のメイド姿っ!」



そんな揚々とした声をあげ、こちらにやって来たのは楢崎だった。



「中原がそんな格好したら絶対可愛いぜ〜!見たいよな?さーの♪」



楢崎は、唸りながら想像(いや、妄想?)してる佐野に肩に腕を回しながらそう聞いた。



「うわっ!いきなり現れるんじゃねぇよ!」



「こんな機会逃したら二度と見られないぞ!わかってるのか佐野!」



< 218 / 418 >

この作品をシェア

pagetop