【完】こいつ、俺のだから。
「お、お前メイド服着んのか……?」
なんだその顔は。
目を見開きすぎだ。おぞましいか、あたしのメイド服姿が。
「ちょ、ちょっと待て。想像させてくれ」
手のひらを見せ、待つ時間を要する佐野は、もう片方の手で口を覆う。
……あ。もう言わなくてもわかると思いますが、うちのクラスは執事&メイド喫茶だそうです。ありきたりです。
「いいじゃんいいじゃーん!中原のメイド姿っ!」
そんな揚々とした声をあげ、こちらにやって来たのは楢崎だった。
「中原がそんな格好したら絶対可愛いぜ〜!見たいよな?さーの♪」
楢崎は、唸りながら想像(いや、妄想?)してる佐野に肩に腕を回しながらそう聞いた。
「うわっ!いきなり現れるんじゃねぇよ!」
「こんな機会逃したら二度と見られないぞ!わかってるのか佐野!」