【完】こいつ、俺のだから。
そこで佐野は、なにか大切なことに気づかされたようにハッとした。
「……そうか。そうだな」
それはまるで、命の尊さを改めて知ったような、そんな瞳。
だが、
「……し、仕方ねぇから、お前のメイド姿、見てやるよ」
おかしいよね。なんか今楢崎に変なこと気づかされたよね。
「じゃ、仁菜ちゃんのメイドは決定事項で」
前野さんは淡々と決めた。
「ちょっと待って!本人の意思は!?」
あたしが意義あり!と手を上げると、ポンッと肩に手を置かれた。振り向くと、
「あきらめろ」
佐野がフッと、なんていうのこういうの。
顔文字でいうと(´-ι_-`)みたいな顔で、言って来やがった。
うぜぇ。
「いいじゃない仁菜。あたしも着るよ〜」
そんな時、この騒ぎに気づいてやって来たのは、光だった。