【完】こいつ、俺のだから。
「ダメ?」
「いや、別にいいけど……」
そして佐野は、あたしにブタのキーホルダーをくれた。
あたしの手の中には、佐野からの贈り物がある。
〝佐野からのプレゼント〟
「ホントにこんなんでいいのか?」
「うん、これがいい」
あたしは受け取ったそれを、早速スマホにつけた。
ぶら下がったブタは、なんだかゆるーい雰囲気でドーナツを食べている。
今の佐野とあたしみたいに。半分のドーナツを。
なんだかそれが可愛くて、思わずニヤついた。
「しっかしお前、センスないな」
「なんとでも言え」
だって佐野が貯めた100ポイントのキーホルダーなんて、なかなか手に入らない。
世界でたった、1つだけだ。