【完】こいつ、俺のだから。
……もしかして、もしかするとこれは……
……独占欲ってやつかもです。
「ねぇ佐野」
「ん?」
「またドーナツ屋さん、行こうね」
約束の1ヶ月がきても、こなくても、またふたりで。
「おー。いつでも連れてってやるよ」
……今、言ったからね?
「約束」
そう言うと、佐野はふっと優しく笑った。
「お前って結構、ドーナツ好きなんだな」
……佐野がドーナツ好きだからだよ。
そう思いながら、佐野を笑顔を見ると、やっぱり胸がドキドキとした。
制服のポケットから出てるブタのキーホルダーは、楽しそうにユラユラと揺れていた。