【完】こいつ、俺のだから。
元カレvs偽カレ
文化祭準備も順調に進んで……。
気づけば明日は、文化祭当日だ。
今日も今日とて、丸一日文化祭準備ということで、授業がなくてラッキー!
作業もラストスパートにとりかかっていて、生徒みんなでワイワイと作業してる。
「ふー、疲れた」
「あとちょっとじゃん、ファイト!」
「光も色塗れよ」
目の前にある〝執事&メイド喫茶〟と書かれてる看板。
あたしはその看板に、色を塗ってる真っ最中だった。
光とふたりで塗るはずなのに、なぜか光は看板を押さえてるだけだけど……。
ちなみにあたしは、当日にメイド服は着なくていいことになった。
佐野がホントにどうにかしちゃったみたい。委員長の権力ってすごい。
ペンキを筆につけて、看板の文字に色をのせながら、ぼんやりとそんなことを思った。
色塗りしやすいよう、体操服という格好で髪は束ねてポニーテールにした。
だけど長い髪がパラパラと落ちてきてうっとおしい。