【完】こいつ、俺のだから。
「あーもう!髪邪魔!」
「うっとおしそうね〜。あ、ほらほら、髪にペンキがつくよ」
ショートの髪を、ハナワ君が「はーいベイビー」ってするみたいに自慢げに見せつけてきた光は、あたしのポニーテールがペンキにつかないように注意する。
うぉ、あぶね。
「邪魔なら切ればいいだろ」
突然、背後からそんな声が聞こえて振り向く。
そこにはアイスを食ってる佐野がいた。
「なんでアイス食ってんのあんた」
「センコーがみんなに買ってきてくれたんだよ。ほら、あそこで配ってる」
佐野が指差した先を見ると、確かに先生が教室のドアのとこでみんなに配ってた。
うぉ、やるじゃんあたしらの担任!
早速あたしももらいに……!
「で。お前髪切らねぇの?」
「え?」