【完】こいつ、俺のだから。
あいつの中で、俺は恋愛対象外だろうし、彼氏なんて思われないだろう。
きっと友達でもない。それ以下だ。
たぶん、ケンカ相手……とか?
「まぁ、大丈夫なんじゃね?」
ただ帰るだけだし、別になんともないだろ。
ていうかあいつに限って、ヤキモチとか妬いてくれる訳ない。
そりゃあ、妬いてくれたら、ちょっとは……いや、めっちゃ嬉しいけどよ……。
……わかってる。アリエナイ。
「やった!じゃあ、早く帰ろっ!」
意外にも嬉しそうな表情を見せる前野に戸惑った。
そんなに早く帰りたかったのか?
不思議に思いながらも前野の後ろを歩いてたら、前野は突然立ち止まって上を向いた。
「……あれ?あたし達のクラス、まだ電気ついてる」
見上げると、確かにそこは俺らのクラスで、窓があいてるし電気もつけっぱなままだ。