【完】こいつ、俺のだから。
なんだ……。
あたしがずっと探し求めていた答えは、こんなにも単純なものだったんだ。
伝えたい。
あたしも同じ、気持ちだと。
もうずっと前から気付いてた。
だけど気づかないフリをしていた。
はっきりとした想いが、今、心の中に浮かび上がる。
だってあたし、別にキスされてもイヤじゃなかった。
佐野のこと、嫌いだったはずなのに。
でも佐野は、いつの間にかあたしの心の中入り込んできて、
あたしのこと、いつも笑わせようと必死に頑張ってくれたよね。
そのたびに、あたしはいつも救われた。
「……佐野」
ゆっくりと、佐野に手を伸ばす。
……あたし、佐野が好きだ。