【完】こいつ、俺のだから。




「あたし、今朝のこと結構根に持ってるからね」



「……今朝の?」



佐野は小首をかしげる。



「あたしは佐野に付き合ってなんてひとことも言ってないのに、佐野のせいで、みんなにそんな風に思われた」



「あぁ。あれか」



思い出したように、佐野は言う。




「あれか。って、他人事みたいに……!こっちは色々聞かれて大変なんだからね!」



「だったら、俺がお前に告白したってことでいいよ」



「……え?」



意外な言葉に驚いてしまう。



「俺がお前のこと好きだから、付き合ったってことにしとけ」



なに言ってるの、こいつ。




「……なんで?……てか、本当にいいの?」



「お前と付き合えんなら、なんだっていい」


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