【完】こいつ、俺のだから。
Chapter*4

3つ目の願い






「いない……」



かれこれ数時間探してるというのに、全然見つからない。



もう文化祭、終わっちゃうんですけど。




先輩達と別れたあと、すぐに自分の教室に戻ったのに、その時には交代の時間になってて既に佐野はいなかった。



途中、自由時間の光や楢崎に会ったけど、ふたりとも交代直後に教室を出たっきりの佐野を、一度も見ていないと言う。



一緒に探してくれたけど、結局見つからなかったし……。


申し訳ないから、ふたりには探してもらうのは断った。だけど見つけたら連絡するって言ってくれた。




……ちっ。あの野郎。



あたしの午後の自由時間を全部費やしても見つからないなんて。



おかげでフランクフルト食べ損ねたし。青春という名の文化祭の時間を返せ!



「…………」



……ていうか、もうすぐであたし達の関係終わっちゃうじゃん。


最後くらい、あたしのそばにいてやろうとか思わなかったワケ……?




「佐野のバカ野郎……」




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