【完】こいつ、俺のだから。
雨空と覚悟
翌日の空は、雨だった。
玄関あけたらサトウのご飯……が、いるわけないか。
はぁっとため息をつく。
もう、家の前で佐野が待っていてくれることはない。
……後夜祭のとき、あたしはなにをして過ごしていたのさえ記憶が曖昧だ。
昨日、家に帰ってからずっと、佐野からの連絡を待ってた。
だけどやっぱりメッセージはこなくて。
それが余計に、昨日の出来事は現実なんだと言ってるみたいだった。
雨がしとしと降り続ける。
土砂降りよりも、このしんみりとした降り方は好きでない。
だってまるで、自分が泣いてるみたいだから。