【完】こいつ、俺のだから。
学校に着いてからも、あたしは自分の席から外を眺めていた。
相変わらず降り続く雨の中、あたしはひとりで登校してくるある人物を見つける。
……佐野。
「中原おはよー!」
「!」
そんなときに、隣の席に着きながら元気にあいさつをしてきたのは楢崎だった。
「あ、楢崎おはよ」
「文化祭のあとだって言うのに、雨はないよなぁ。気分がさがるってーの」
「はは。ホントだね」
「……? 中原元気ない?」
「え?」
「なんか、いつもより顔色も悪い気がする……」
ドキッ。
それはあんまり、眠れなかったせいかも。
「全然大丈夫だよ」
「そう?ならいいけど」