【完】こいつ、俺のだから。
「なぁ、ホントに俺でいいのか?後悔しねぇ?」
あぁもう……。
未だに不安そうな顔であたしを見つめる佐野が、どうしようもなく愛しい。
後悔なんてするワケない。
ていうか、
「佐野じゃなきゃダメなの……」
そう言うと、佐野はまたさらに顔を赤く染めた。
「ちょっ……黙って。
なにそれ、反則すぎんだろ……。死ぬ」
「……んっ、」
顎を指で持ち上げられ、何も言わせまいというように唇を押しつけられた。
やがて唇が離れると、おでことおでこがコツンとぶつかり合う。
こんなに至近距離で佐野に見つめられるのは恥ずかしいけど、佐野もあたしと同じくらい、額の温度が熱かった。