【完】こいつ、俺のだから。





「なぁ、ホントに俺でいいのか?後悔しねぇ?」



あぁもう……。



未だに不安そうな顔であたしを見つめる佐野が、どうしようもなく愛しい。




後悔なんてするワケない。



ていうか、




「佐野じゃなきゃダメなの……」




そう言うと、佐野はまたさらに顔を赤く染めた。




「ちょっ……黙って。
なにそれ、反則すぎんだろ……。死ぬ」




「……んっ、」




顎を指で持ち上げられ、何も言わせまいというように唇を押しつけられた。



やがて唇が離れると、おでことおでこがコツンとぶつかり合う。



こんなに至近距離で佐野に見つめられるのは恥ずかしいけど、佐野もあたしと同じくらい、額の温度が熱かった。



< 378 / 418 >

この作品をシェア

pagetop