【完】こいつ、俺のだから。
「新しいだけあって、それなりにキレイだったぜ?
なんか今なら限定メニューもあるらしいし」
「知らなかった。すごいんだね」
けれどあたしの反応は、佐野にとってあまり好ましいものではなかったようだ。
「って、なんでもっとうらやましがないんだよ!
他にもなんか言うことあるだろ?
すごいんだね、だけじゃなくて……!」
「?」
いったいなにがあるというんだ?
わからない。
わからなすぎて、首を傾げて考えてみた。
すると佐野は、盛大にため息をつく。
「お前ってさ、本当になんにもわかってないんだな」
佐野はいたって真面目な顔で、あたしにダメだししてきた。
なぜこんなことになっているのか、やっぱり意味がわからない。