【完】こいつ、俺のだから。
「こいつ、俺のだから」
聞き覚えのあるセリフに、胸がドキリとした。
やっぱりこいつは、いつもとんでもないタイミングでやって来る。
「えっ……!あ、の……」
ほらほら、目の前の純情男子がビックリしてるじゃん!
こんな光景を見せちゃダメ!
「離してよ、佐野!」
身をよじって抵抗しながら、後ろを振り返る。
うわっ!び、ビックリした。
見ると、佐野が凄まじいほどにギロッとあたしを睨んでいた。