【完】こいつ、俺のだから。
――連れて来られたのは屋上だった。
て言っても、昼休みはいつもここでお弁当を食べてるから当然か。
10月中旬。
あれから約束の1ヶ月が過ぎても、あたし達の関係は続いていた。
もちろん、本当の恋人同士という意味で。
公衆の面前で大告白をしてしまったあたしは、あの日から数日間、当然のごとくあらゆる人たちにからかわれた。
が、それも今ではだいぶおさまって来て、平穏な日々が続いて……
「お前ホントムカつく」
……ないな。
うん。
今の佐野の表情を見て、おせじでも平穏とは言えない。