【完】こいつ、俺のだから。
「俺の言うこと、信じられない?」
「うん全く……。
だって佐野、昔からあたしに意地悪ばっかしてきたじゃん」
「……それは、ちょっとでもお前に俺を見てもらいたくてだよ」
……なにそれ。
あんたそんなピュアだったの?
好きな子いじめるって小学生か!
あまりにも驚きのカミングアウトに、あたしはくすぐったい気持ちになる。
「わかんないなぁ。周りには他に可愛い子もいるし、佐野なら選び放題でしょ?
なんであたしなの?」
照れ隠しも手伝って、そう聞いた。
「なんでって言われても……俺、他のヤツなんて最初から目になかったし」
「?」
「今まで、お前しか好きなったことねぇから」
「な……っ!!」