【完】こいつ、俺のだから。
番外編
俺のって印
とある休日。佐野の家にて。
現在、あたしは窮地に立たされていた。
「さ、佐野〜……」
おそるおそる佐野に声をかけてみるが、佐野はまったくこっちを見向きもしない。
あたしに背を向けたまま、だんまりだ。
ずいぶんと怒ってる……というよりは拗ねている様子。
なぜなのかはわからない。
だけど佐野がご機嫌ななめなのは、ここに着いてすぐの出来事だった。
今日は佐野の家で、あたしが買った例のDVDの続編をふたりで鑑賞する約束をしていた。
しかし、あたしは佐野に内緒で楢崎と光も誘ってしまい、
さっきまで一緒にワイワイとこの部屋でDVD鑑賞をしていたのだ。
……そのときから佐野はもう、こんな状態でずっと無言。
異様な雰囲気を察知したふたりは、DVDを観おわるとあたしを生贄にしてそそくさと帰ってしまった。
この薄情者……っ!!