【完】こいつ、俺のだから。
「そうだ、ポップコーン食べる?」
「……」
「今ならオレンジジュースもつけますよ〜!」
ニコッと笑って佐野の顔を覗き込むが、プイッとそっぽを向かれてしまう。
クソ……。やっぱ同じ穀物でも、コーンじゃサトウの米には敵わないか……。
などと思ってると突然、佐野がその場から立ち上がりベッドの方へ移動した。
そのままベッドに寝転ぶと、すぐそこにあったゲームを手に取り、あたしをかも空気の存在かのように無視する。
……ムカッ。
いい加減無視され続けると、さすがにあたしもイライラしてくる。
だけどここは我慢だ。怒らせたのはあたしが原因かもしれない。寛大になれ、仁菜!
ふぅっと落ち着きを取り戻してから、あたしもベッドの方へと近寄った。