【完】こいつ、俺のだから。
……なになになに!?
その勢いに、思わず一歩後ずさってしまう。
「中原さん、話があるんだけど!」
「ちょっといい?」
ざっと5人くらいのグループ。
見たことあるから、たぶん同じ学年だと思う。クラスは違うけど。
すぐに気づいた。この人達があたしに聞いてくることなんて……。
「佐野くんと付き合ってるってホント!?」
「どんな弱味握ったの!?」
案の定、だ。
やっぱり佐野のことだったか。
モテ男の彼女はきっと大変なんだろうなと、このとき改めて思った。
――『そうだな。ま、対処頑張れ』
付き合うフリをすると決めた時、佐野が言ってた言葉を思い出す。
本当にいい迷惑だ。
面倒ごとが、あたしは1番嫌いなのだから。