【完】こいつ、俺のだから。




お前の泣き顔見た時に、俺は決めたんだ。



そんなに頑張らなくていい。


無理すんなって。



俺がいるから。




お前のこと、ずっと想ってた俺がいるから……だから、また笑ってくれ。




「諦めれるかよ……」




ポツリ、消えいるような声でつぶやいたその言葉は、きっと誰にも届かない。







だけどチャンスはやってきた。



夏休みが終わって、9月も終わりに近づいていたころ。



隣のクラスの男に、校舎裏に呼び出されたあいつ。



お前がSOSを言えない強がりな性格なのは、知っている。



だから俺が、無理やりにでもSOSを作ってやった。




助けてやるよ。この俺が。




――『こいつ、俺のだから』




全ての始まりは、このひとこと。



条件は、俺の言うことを3つ聞くこと。




1つ目は、1ヶ月限定の恋人ごっこ。



その間に、お前がまた笑えるように、俺がずっと隣にいてやる。




……お前だけは、絶対誰にも渡さない。



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