【完】こいつ、俺のだから。
楢崎とは中学が一緒で、好きな映画の趣味があうということで仲良くなった。
普通に話してておもしろいし、めっちゃいい奴だと思う。
爽やかで親しみやすい雰囲気もあって、クラスの人気者的な存在だ。
「はーい。そこで仲良くヒソヒソ話をしてるおふたりさん」
……ん?
「先生が話をしてるのに、いい度胸だねー」
教壇の方へ、ゆっくり顔を向ける。
すると先生が、にこやかな笑みで、あたしと楢崎を見ていた。
「その度胸を見込んで、体育祭の実行委員、君らがやろうか」
ね?なんて、語尾にハートがつきそうな勢いで言ってきた先生。
中年オヤジだから、ちょっとそれはキツイ。
ていうか、え……嘘でしょ。